1年ほど公開が延期されていた『るろうに剣心 最終章 The Final』がついに公開された。
無印・京都大火編・伝説の最期編を金ローやネトフリで履修した私にとって、今作とThe Begginingは最初で最後の劇場るろ剣。ちなみに邦キチ状態(原作を読んだことがなくて、るろ剣に特別な思い入れがない)なので、実写シリーズにでかい不満点はない。強いて言うなら斎藤一がずっっっと綺麗で左之助ばっかり血だらけになってることくらい。血濡れの江口洋介も見たい。でもあの綺麗さが斎藤さんの魅力でもあるからな…(原作読んでから語れ)
そんな記念すべき作品であんな思いをすることになるなんて、あの時の私は思ってもいなかったのである。
(以下ネタバレ)
映画序盤の私「佐藤健のおろ?も聞き納めかな…さみしい…アクションくそかっこいい…健は相変わらず人間やめてるぜ…」
映画中盤以降の私「立て抜刀斎!!!!!!!人誅の時間だ!!!!!!!!見てて姉さん!!!!!!!」
雪代巴(有村架純)は私と雪代縁(新田真剣佑)の姉さんであり、緋村剣心は私たちから姉さんを奪った憎き男なのだ。
『るろうに剣心 最終章 The Final』は雪代縁が、主人公・緋村剣心(人斬り抜刀斎)に"人誅"を下すべく頑張る話である。上海マフィアのボスになったり、抜刀斎を憎む連中を集めたり、牛鍋屋を燃やしたり、警察の偉い人の家を燃やしたり、なんか色々爆発させたり、薫殿を誘拐したり、左之助ボッコボコノルマを達成したり、刀狩りの張を殺したり(なんで張??)、藤原竜也軍団をぶつけたり、アームストロング砲をぶつけたりする。
そんな縁が剣心を憎む理由が"姉さん"こと雪代巴。巴は"許嫁(窪田正孝)を殺した抜刀斎"への復讐のために剣心に嫁ぎ、最終的には剣心に斬られる形でこの世を去った女性である。縁は彼女が剣心に斬られる瞬間を目撃して発狂、復讐を誓うことに。
緋村周りどんどん燃やしていいよ縁。
作中では縁と姉さんの想いや縁と姉さんの思い出(妄想っぽいのも含む)が色んな形で語られる。窪田の死に絶望する姉さん。儚げな雰囲気を纏って剣心に近づく姉さん。剣心との生活に幸せを感じてしまう姉さん。変わっていく姉さんを見つめる縁の目は切実で、見てるこっちまでしんどくなってくる。そして………………
縁「姉さん……ついにこの時が来たよ……」
瞬間、私の脳内に溢れ出した"存在しない記憶"。
許嫁を殺されて悲しむ姉さんを見つめる縁と私。
「抜刀斎に近づくなんて危険すぎるよ…」と思いつつも姉さんを止められない縁と私。
抜刀斎をかばう姉さんに「なんでアイツを庇うんだよ!!」と叫ぶ縁と私。
眠っている縁の手から風車をとって回す姉さんとそれを影から見る私。
雪の上に倒れる血だらけの姉さんを見て、叫ぶことしかできない縁と私。
抜刀斎への復讐を誓う縁と私。
上海で死にそうになりながらも執念で生き抜く縁と私。
全部、全部、抜刀斎が悪いんだ…!!!!!!!!!!!!!
どうしてこうなった
なんでラストるろ剣なのに存在しない記憶に振り回されてんの???なんで主人公よりラスボスに共感してんの???瀬田宗次郎のサプライズ登場とか激アツだったじゃん???敵かと思いきや手を貸してくれてさ???「僕もるろうにになったんです」とか語ってて超かわいかったじゃん???神木と佐藤の最高のアクションについて語りたかったはずだろ???どうした私????
これは有村架純の圧倒的な"姉さん力"に平伏してしまったのもあるけど、新田真剣佑の雪代縁があまりにも良かったというのがでかい。
アホみたいに良い顔面、芸術的な筋肉、アクションの悪魔と契約したとしか思えない動き、中国語、五条悟ちっくな白髪、歪んだ姉さん愛、小ささを極めたサングラス、そして筋肉(2回目)、全てが完璧である。身内の復讐のために物理的に強くなって、マフィアの長に登り詰めちゃうところも推せる。クラピカかな????
『サヨナラまでの30分』を観た時に「真剣佑はアキをやるために日本で俳優になってくれたのでは…?」的なことを思ったけど、雪代縁はそれを超えてきた。今作の8割は雪代縁でできているので、真剣佑ファンは100億%観に行くべき。真剣佑やばい。The Begginingも楽しみすぎる。
あと操ちゃんもいいぞ。
抜刀斎はどこだbotこと蒼紫様は(中の人が色々あったせいか)生死すら不明な謎扱いを受けてたけど、操ちゃんは想像以上に大活躍してた。土屋太鳳のアクションがやばすぎるので、うっかりファンになってほしい。